夏と聞くと、あなたは何を思い浮かべますか?
バーベキューに、海に、花火大会。楽しいイベントが盛りだくさんの夏は、外に出かける機会も増えるかと思います。
しかしその一方で、夏バテや夏風邪、暑いからこそ起きてしまう子どもの病気が気になる季節でもあります。
そこで今回は、夏の時期に多い5つの病気「プール熱」「手足口病」「ヘルパンギーナ」「あせも」「とびひ」についてお伝えします。
なかには予防接種やワクチンがない、特効薬がない、そんな病気もあります。
それは怖い!予防接種もなし、かかってしまった時の薬もなし、それじゃあ一体どうすればいいの~!と嘆く前に、日頃からできる予防策や、病気の原因・症状をあわせてチェックしていきましょう。
1.プール熱(熱咽頭結膜熱)とは?
通常は6月頃から夏にかけて流行します。今年は1~2週間ほど早いペースで患者が増加しているそうで、先日ニュースにもなっていました。
プールで水を介して感染するケースも多いことから「プール熱」と呼ばれていますが、正式名は「咽頭結膜熱」と言い、主な症状の「咽頭」「結膜」「熱」の文字が組み合わさってできていることがわかります。
【プール熱の主な症状】
●咽頭炎・・・のどの奥に位置する咽頭が炎症を起こし、腫れや痛みをともなう
●結膜炎・・・目の充血や痛み、目やにが出るなど
●発熱・・・・39℃前後の高熱が、数日(長ければ1週間ほど)続く
【プール熱の原因】
感染力が強いとされるアデノウイルスという病原体が感染源。
せきやくしゃみによる飛沫感染、ウイルスがついた手やタオルを共用するなどして感染する接触感染、そのほか十分に塩素消毒がされていないプールに入ることで感染します。
【プール熱の治療法/予防するには】
症状に応じて鎮痛薬などを処方されることはありますが、アデノウイルス自体に対する薬や治療法はなく、風邪のときと同様に安静に過ごすことが大切だそうです。
予防するには、手洗い・うがいを徹底しましょう。
2.手足口病とは?
特に夏に流行する感染症で、5歳以下の乳幼児が患者の大多数を占めます。
【手足口病の主な症状】
手・足・口内などに水疱性の発疹が出る
【手足口病の原因】
主に原因とされるのは、コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)というウイルスです。
感染経路として、空気中のウイルスを吸い込んでしまう飛沫感染、ウイルスに触れてしまう接触感染、糞口感染(ふんこうかんせん)があります。
糞口感染とは、便の中にあるウイルスが赤ちゃんのおむつを替える際に手について、そのウイルスがさらに手を介すなどして口に入り感染することを言います。
【手足口病の治療法/予防するには】
特別な治療法も、また、予防できる薬もありません。
予防するには、しっかりと手洗いをすること。お子さまがおむつをしている場合、おむつ交換のときは適切に処理し、十分に手洗いをしましょう。また、タオルを共用しないようにしましょう。
3.ヘルパンギーナとは?
暖かい時期に流行するウイルス性の感染症です。乳幼児に多いですが、感染性の強い病気なので、大人でも発症することがあります。
【ヘルパンギーナの主な症状】
2~4日の潜伏期間を経て、突然38~40度ほどの高熱が出る。
頭痛、のどの痛み、口内炎や水疱ができる。
【ヘルパンギーナの原因】
感染経路は、せきやくしゃみ、つばなどに含まれるウイルスによる飛沫感染、何らかのかたちでウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入ってしまう接触感染の2つがあります。
【ヘルパンギーナの治療法/予防するには】
特別な治療法や予防接種はなく、それぞれの症状に応じて対症療法が行われます。
予防するには、しっかりと手洗い・うがいをしましょう。
4.あせも(汗疹)とは?
夏の肌トラブルの代表的とも言えるあせもは、大人にも少なくないようですが、一般的には乳幼児にできやすいと言われています。
【あせもの主な症状】
●水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
1~3mmほどの小さな水ぶくれができる。かゆみなどの症状はないため、気づかないこともあるが、数日で治癒することが多い。
●紅色汗疹(こうしょくかんしん)
汗をかきやすい・たまりやすい部位に、炎症やかゆみを伴う赤いブツブツができる。かき壊して悪化しやすいので適切な治療が必要。治るまでに1~2週間かかることもある。
【あせもの原因】
汗をかいた後に放置していると、汗腺がふさがれて汗やホコリなどがたまってしまう状態になることで起きます。
【あせもの治療法/予防するには】
水晶様汗疹は自然と治まります。
紅色汗疹の治療には、症状に応じて飲み薬や塗り薬が処方されます。正しく使用すれば数日~1週間程度で落ち着くようです。
★予防するには
・衣類は吸水性・通気性の良い素材を選びましょう
・室内の温度・湿度を快適に保ち、環境を整えましょう
・汗をかいたら、こまめに拭く・着替える・シャワーで洗い流すなど清潔を保ちましょう
・乳幼児の場合は、少量のおしっこでもこまめにおむつを取り替えましょう
・あせもになってしまった場合に備えて、かき壊しを防ぐため爪は短く切っておきましょう
5.とびひ(伝染性膿痂疹)とは?
正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言いますが、症状があっという間に広がることから火事で火の粉が飛び火する様子に似ているため「とびひ」と呼ばれています。
【とびひの主な症状】
●水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
多くはこの水ぶくれができるタイプで、水ぶくれがうみを持ち、やがて破れると皮膚がめくれてただれる。かゆみを伴うために患部をかいてしまうと、その手で触れた他の部分にも症状が移り、体中に広がってしまう。
●痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
同じように水ぶくれができるが、それが厚いかさぶたになるタイプ。炎症が強く、リンパ節の腫れや発熱、のどの痛みを伴うこともある。
【とびひの原因】
黄色ブドウ球菌、A群β溶血性連鎖球菌などによる皮膚の感染症の一つです。
あせも・虫さされの部分をかく、皮膚にある傷に細菌が入り込んで感染する場合もあります。
【とびひの治療法/予防するには】
治療には、原因菌を退治するための飲み薬や塗り薬が、また、かゆみが強いなどの症状に応じてかゆみを抑えるための薬が処方されます。
予防するには、外傷はすぐに治療ををしておく、皮膚を清潔に保つ、タオルや衣類を共用しない、などを心がけましょう。
まとめ
いかがでしたか?
どんなに予防を徹底したからといって絶対にかからないというわけではありませんが、感染する確率を低くするためにも気を付けたいですよね。
予防策はどれも普段の生活のなかで少し気を付ければできそうなことが多かったかと思います。お子さま自身で予防することは難しいので、ママが先回りしてサポートしてあげてくださいね。
もしかかってしまっても、早期に治療を受けることができるよう、お子さまのささいな変化に気づけるようにしておきましょう。
※症状がでた場合は、かかりつけの医師の指導に従ってください。